金属アレルギー
歯科における金属アレルギーとは
金属アレルギーの原因?
金属アレルギーは、口の中にある詰め物や被せ物の金属がイオン化して溶け出し、唾液、口腔細菌、血液などのタンパクと結合してアレルギー性を持つようになることがあります。
症状としては・・・かゆみを伴う発赤(局部が赤くなること)、腫れ、水痘(水ぶくれ)、ただれといった湿疹症状の他に、顔や手足などにかぶれ・シミ・シワ・肌荒れ、ガルバニ電流による痛み、肩こり、ひざの痛み、頭痛、神経症状、憂鬱、立ちくらみ、自律神経失調、物忘れ、老化等、またアトピー症状をも引き起こす要因のひとつともいわれております。アトピー症状の方は金属によるアレルギーを引き起こしやすいので、お口の中に金属がある場合は、セラミックやハイブリッドセラミックに変える方が増えております。全ての金属アレルギーが歯科治療で使用する金属が原因ということはありませんが、なかなか病状が緩和されない時は一度、歯科医に相談されることも必要ですね。また、よく言われるブラックマージン(歯肉の変色)は、金属イオンによる影響であり、アレルギーとは異なります。近年、増加する金属アレルギーは、その予備軍も含め1,000万人(日本人の12人に1人)の存在が推測されています。虫歯治療に一般的に使われている金属にも、金属アレルギーのリスクがあることを知っていましたか?現在の保険治療による差し歯、ブリッジ、かぶせ物は金属を使用している場合が多いです。また、メタルボンドと呼ばれる自費治療にも土台に金属を使用しているため、アレルギーの方には金属フリーのものが推奨されています。
金属アレルギーを起こす金属
金属アレルギーを起こしやすい金属で代表的なのがニッケル・コバルト・水銀・クロムといわれる金属です。 逆に起こしにくい金属は、金・銀・プラチナなどですが金・銀・プラチナでアレルギーになる人もいます。歯科用金属には様々な種類の金属が使用されています。主成分の金、銀、プラチナ、パラジウム以外に合金として微量加えられる金属は、銅、亜鉛、錫、鉄、インジウム、イリジウム、レニウム、ルテニウム、ガリウム、ゲルマニウム、アルミニウムなど多くの種類が含まれています。歯科用金属ワイヤーには、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、タングステン、マンガンなどが含まれています。(それぞれの製品に含まれている成分はメーカーが表示しています。)また過去の歯科治療ではアマルガムという水銀の合金も使用されていました。
金属アレルギーの検査方法
代表的な検査方法には「パッチテスト」があります。パッチテストとは、アレルギーの疑いのある金属試薬を肌に付けて肌の反応を見る検査です。一般的には皮膚科や大学病院などの専門外来に依頼しますが、一部の歯科医院でも実施されています。なお金属アレルギーを証明する医師の診断書に関しては皮膚科に「歯科金属に対するアレルギー検査をしてほしい・・・」とお問い合わせください。陽性の診断書を当歯科にお持ちいただければ、さらなる保険対応の歯科治療が受けれます。
保険適用の金属アレルギー検査
約1,000円~3,000円
(既に症状があり原因を特定する目的で検査を行う場合のみ、医科の医療機関で行います)
保険適用外の金属アレルギー検査
約10,000円
(歯科医院により異なります。)
歯科における金属アレルギーの治療?
治療方法として金属の除去、具体的には以下の通り。
- セラミックへの移行が一般的。
- 小さい金属部分はCRと呼ばれる保険で白い詰め物に入れ替え。
- ハイブリッドレジンCAD/CAM冠と呼ばれる保険対応の被せものができます。ハイブリッドレジンCAD/CAM冠の治療を受けられるのは、どこでもというわけにはいかず、届け出をして認可を得た一部の医院のみとなります。当院では保険で適応のハイブリッドレジンCAD/CAM冠をお入れすることが可能。
- 土台に金属が使われている場合は、ファイバーコアと呼ばれる金属を使わない土台に入れ替え。
- 部分入れ歯の場合、金属の留め金を使わないノンクラスプデンチャーと呼ばれる入れ歯を作成。