虫歯予防

虫歯のメカニズムから見た虫歯予防

1.  虫歯菌を減らすために

人為的に行うことは可能です。いわゆるプラークコントロールもその1つです。歯周病菌は、集合して取り除くことができるプラーク(歯垢)を形成しますが、やがては、磨き残しができて、もはや歯磨きでは取り除くことのできない歯石に変化します。歯石は、莫大な歯周病菌や虫歯菌などの菌の集合体ですから、結果として、無症状のままに口腔内環境は悪化してしまいます。つまり、細菌学的に不良な環境になってくるのです。(口腔内Phの変化や、善玉菌が使える酸素の不足など、また菌同士の縄張りの変化など)これを阻止する為に、歯石になる前にプラーク(歯垢)を自分で取り除き、定期的に取り残した物を専門的に除去してもらう方法で、歯石にさせないように、人為的にプラーク(歯垢)をコントロールしていくことです。プラークコントロールは、歯磨きだけでは不可能であることを認識してください。しかも、無症状に悪化していきますので、正しい知識が必要です。どんなに歯磨きの達人でも、3ヶ月もすると歯石の付着を観察します。さらに、歯石だけで無く、規則正しい生活と食生活が必要であり、口腔内だけで無く体全体の健康維持にとっても重要で、老化や免疫力の低下を、なるべく遅くするためにも必要です。

2. 虫歯菌の餌を減らすために 

前述のように、口腔内(お口の中)は細菌にとって、とても過ごし易い所です。ですから、目に見えない事を良いことに、数え切れないくらい沢山の種類と数の細菌が勝手に住み付いています。( 多種類の細菌が、お互いにバランスをとりながら住み分けています。)これらの細菌の中には、善玉菌と悪玉菌がいますが、悪玉菌が多数を占めると虫歯や歯周病(=歯槽膿漏)など我々にとって迷惑なことが次々に生じてきます。虫歯菌の代表は、ご存知の方も多いと思いますが、ストレプト コッカス ミュータンスと呼ばれる細菌です。これら虫歯菌は、お口の中の食べ残し(正しくは、呑み込み残しや磨き残し)から糖分やでんぷんを分解して、自分たち(細菌)に必要なエネルギーを作り、替わりに酸を吐き出します。この酸が、歯の表面に付着すると脱灰(だっかい)と言って歯が溶け始めます。
そしてこの脱灰は、細菌がいる限り、歯がある限り続きます。確かに、一個の細菌が歯を溶かす量は非常にわずかです、しかし実際は、何千万何億個というボリュームで、歯に危害を加えるのですから決してあなどってはいけません。したがって、細菌の数を可能な限り減らすことが大切です。そのためにはお口の清掃が最も有効なのです。
まず、 正しく磨けているかどうか専門家(歯科医師、歯科衛生士)による指導を受けて下さい。(練習しないとなかなか身に付きません)そして、必要に応じて、歯間ブラシやフロス(糸ようじ)も使うようにしましょう。(うがい薬の併用もグッド!)

3.お口の中が酸性に傾く時間を短くするために

食事が終わるとお口の中は酸性に傾きだし、(食後)3分〜20分の間にその値は最高になります。(このことから、食後3分以内の歯磨きが、とても重要と言えます。)その後は、唾液(つば)の働き(緩衝能と言います)で徐々にもとの中性に戻ってきますが、戻るまでに約40の時間が必要です。この間、歯は酸にさらされ表面では脱灰(歯が溶けること)が起こってしまいます。( Ph5.5以下で歯は脱灰を起こします。)そのため、食べ物を口にする機会が多いと、お口の中は中性に戻る暇が無くなり、歯は常に酸にさらされることになるので徐々に弱って行きます。ですから、食事やおやつの回数をしっかり決め、それ以外の時は食べ物を口にしないようにしましょう。
(食後320分の間はPh5.4以下になり、歯質が解ける可能性が有る。=食後3分以内に歯磨き)

* Ph:酸性の度合いを示す数値、値が低いほど酸性の度合いがきつい。

4.歯を強くするために

歯はハイドロキシ アパタイトと言う結晶で出来ていますが、遺伝的な要素や、歯が造られる時の身体の状態により、結晶の完成度に違いが生じてしまいます。そして、完成度の高い結晶からなる歯ほど、丈夫で強い歯と言えます。しかし、いくら強くても酸に溶けるという性質に変わりは有りません。そのため、お手入れをおこたるとやはり虫歯に成ってしまいます。では、歯を強くするためにはどうすれば良いのでしょうか?まず、胎児としてお腹にいる間はお母様が、そして生まれてからはお子様自身が、好き嫌いを無くしバランスの取れた食事をするように心がけなくてはなりません。特に、カルシウムとビタミンを充分に取る事が重要です。
一方、歯が出来た後も食事に気を付けることは大切なのですが、最近はフッ素が歯を強くし、酸から歯を守ることが知られていますので、これらの効果を利用するのも良いことだと思います。ただし、フッ素の化合物の中には猛毒の物がありますから、フッ素が含まれていれば何でも良いと言うわけでは有りません。虫歯予防専用の物をご使用下さい。

Byばんどう歯科医院